コンクリート技士の合格率を上げるためにやっておきたい過去問(4)
今回も、コンクリート技士試験の中でも
はじめのほうに出題されるセメントの規定に関する問題です。
セメントに関する知識をおさえると合格率は確実にあがります。
すくなくとも、ゼネコンマンの特に、現場管理の方にとっては、
普段あまり接しない知識なので、
このセメントの知識の有無が合否を左右することになります。
■低熱ポルトランドセメントとは
低熱ポルトランドセメントとは、
その名のとおり、『水和発熱量の低いセメント』です。
そういった意味では、前回まなんだ(⇒http://wp.me/p8h80j-2t)
中庸熱ポルトランドセメントと
おなじなのですが、中庸熱ポルトランドセメントより
さらに、水和熱量が低いセメントとなっています。
具体的にかくと、
中庸熱ポルトランドセメントが、
7日水和熱:≦290J/g
28日水和熱:≦340J/g
といった規定でしたが、
低熱ポルトランドセメントにおける水和熱の規定値は
さらに下記のように厳しめになっています。
7日水和熱:≦250J/g
28日水和熱:≦290J/g
中庸熱ポルトランドセメントでの7日の水和熱の既定値が、
低熱ポルトランドセメントでは、28日の水和熱既定値となっています。
かなり、発熱をおさえたセメントとなっています。
■けい酸二カルシウムの既定値は?
さて、ここででてきている、
けい酸二カルシウム(C2S)とは、
セメント構成化合物のうちでも、
水和発熱量がすくなく、長期強度発現性にすぐれるものなのです。
なので、このけい酸二カルシウムは、
その割合が増えるほど、水和発熱量が少なくなるわけです。
その意味を考えると、
今回の問題における、低熱ポルトランドセメントにおいて、
けい酸二カルシウムは、多いほど発熱が少なくなるわけですから、
最低限の発熱量以上とするためには、けい酸二カルシウムの量は
ある既定値以上の量が必要となるわけです。
というわけで、既定値とはどんな数値となるのでしょうか。
JIS R 5210 をしらべてみると、
けい酸二カルシウム(C2S)の規定値は、
≧40%
となっています。
ちなみに、他のポルトランドセメントで、
このけい酸二カルシウム(C2S)が規定されているセメントは
ありません。
合格率をあげるために
こうした数値をおさえておきましょう。
■正解は?
というわけで、今回の問題
(4)低熱ポルトランドセメントでは、けい酸二カルシウム(C2S)の
上限値が規定されている。
の答えは、≧40%
下限値が規定されているわけですから、
『 × 』となります。
■セメント知識のまとめに!
第4回まで、セメントの知識に関しての過去問を
チェックしてきました。
意味を考えながら、勉強すると記憶にも定着しやすいことが
わかったと思います。
さらに、こうしておぼえた断片的知識を
表でまとめておぼえることをおすすめします。
表で暗記するのに最適な
セメントポイントシートはこちらを参考にしてください⇒
コンクリート技士試験 合格ラインが約7割の試験に合格するための方法
1.コンクリート技士試験 効率合格勉強法 まず過去問【1日目】
4.コンクリート技士問題・解答速報(案)2018年合格点・難易度は?
<<最重要事項の確認>>
1.コンクリート技士試験過去問ポイント 【アルカリシリカ反応抑制】
4.コンクリート技士試験過去問題ポイント【高流動コンクリート】
6.コンクリート技士試験過去問題ポイント 【塩化物イオン許容値】
<<合格率をあげる過去問>>
1.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(1):少量混合成分
2.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(2):早強セメント
3.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(3):中庸熱セメント
4.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(4):低熱セメント
6.コンクリート技士の合格率をあげる過去問(6):フライアッシュ
7.コンクリート技士の合格率をあげる過去問(7):骨材含水状態