コンクリート技士の合格率を上げるためにやっておきたい過去問(3)

中庸熱ポルトランドセメント

今回もコンクリート技士試験の前半に
出題されるセメントの規定に関する問題です。
セメントに関する問題がつづきますが、
関連付けて暗記すると合格率は確実にあがります。



セメントの数値などは、
一つ一つ単体で覚えると、単純な暗記となりますが、
いくつかの種類の規程値とあわせておぼえると
意味もわかってきます。
なので、前回の復習もしながら、今回の勉強をすることをおすすめします。

■コンクリート技士過去問題(3)

JIS R 5210(ポルトランドセメント)の規定に関する次の記述のうち
誤っているものはどれか。

(3)中庸熱ポルトランドセメントでは、水和熱の
上限値が規定されている。

まずは、上記の選択肢が○か、×かを考えてみましょう。

ポルトランドセメントの水和熱とは?
水和熱の既定値は?
正解は?
ちなみにJとは?

■中庸熱ポルトランドセメントの水和熱とは?

ポルトランドセメントにおける
水和熱とは、『JIS R 5210 6.3 水和熱 』
の箇所で、水和熱の試験は、JIS R 5203 による、との記載があります。



要は、JIS R 5203 における水和熱試験方法により、
水和熱を想定するのです。



また、そもそも水和熱 とは何かというと、
『水とセメントが反応する水和作用にともなって、水和物が生成され、
 かつ、反応熱がでます。この反応熱を水和熱』と呼びます。



ホッカイロは空気と反応すると暖かくなりますよね。
これと同じで、セメントは、水と反応すると、熱くなります。



この熱を『水和熱』と呼んでいるのです。

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■中庸熱ポルトランドセメントの水和熱の既定値とは?

さて、上記で、水和熱を知ったわけですが、
その既定値とはどうなっているのでしょうか。
JIS R 5210を確認してみます。



7日水和熱:≦290J/g

28日水和熱:≦340J/g




以上のような既定値となっています。
このことは何かと考えてみます。


7日目における発熱量は、1gあたり290J以下としなさい。

28日目における発熱量は、1gあたり340J以下としなさい


ということになります。
つまり、急激に発熱するような状態にはならない、
というのが、中庸熱ポルトランドセメントなのです。



これは、体積の大きいコンクリート、
いわゆる『マスコンクリート』を打設するにあたり
発熱量をおさえたい場合などに、つかわれます。




中庸熱という言葉から、
あまり熱をださないコンクリートである、
というおぼえ方でもよいと思います。



ある一定以上の熱を発熱しないセメントなので、
水和熱の上限値が規定されていると考えると、
わかりやすいですね。

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■正解は?

というわけで、今回の問題



(3)中庸熱ポルトランドセメントでは、水和熱の
上限値が規定されている。



の答えは、



7日水和熱:≦290J/g

28日水和熱:≦340J/g

と、上限値が規定されているわけですから、
『 ○ 』となります。



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■ちなみJとは?

ちなみに、Jとは、『ジュール』と読みます。
1ジュールは、1kgの物体を1m/s2の加速度で動かすような力で
1m動かした時に要するエネルギーです。



すこしわかりにくいので、
ウィキペディアの記述を引用します。

1 ジュールは標準重力加速度の下でおよそ 102.0 グラム(小さなリンゴくらいの重さ)の物体を 1 メートル持ち上げる時の仕事に相当する。

リンゴでたとえているので、
すこしイメージが湧いたでしょうか?



こうした知識もあわせておぼえておきましょう。

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