■アルカリシリカ反応抑制
コンクリート技士試験の過去問題の
前半でよく出題されるセメントの構成問題に関してですが、
過去のH24年度の試験では、アルカリシリカ反応抑制に
関する問題がでていました。(問題2、問題43)
アルカリシリカ反応を
抑制するセメントはずばり、
高炉セメントもしくは、フライアッシュセメントで、
しかもB種もしくはC種が、アルカリシリカ反応を抑制する
セメントとなっています。
■ところでアルカリシリカ反応とは?
ここで、さらっとアルカリシリカ反応を登場させてしまいましたが念のため補足しておきます。
アルカリシリカ反応とは、コンクリート中のシリカ含有骨材(SiO2)とアルカリ(主にコンクリートのセメントから供給されるナトリウムとカリウム)との間の化学反応を指します。この反応によって、拡張性を持つゲル状の物質が生成されます。
このゲルは、水を吸収すると膨張し、コンクリート内部の圧力を増加させます。そして結果として、コンクリートのひび割れや損傷につながります。アルカリシリカ反応をググってみたら次のような感じでした。主に、水が浸入しやすいコンクリートにおいてひび割れているのが目立ちます。
アルカリシリカ反応は、コンクリートの耐久性や性能に影響を与える重要な問題として認識されています。この問題を緩和または防止するためのいくつかの方法が存在し、
- 低アルカリセメントの使用。
- 骨材の適切な選択や試験(反応性の低いものを選ぶ)。
- フライアシュやスラグなどの補助的なセメント材料の使用。
といったものが挙げられます。
このうち3番のフライアシュやスラグとは、ポルトランドセメントに添加される材料で、コンクリートの性質や性能を改善したり、環境への影響を減少させるために使用されるものです。
- フライアッシュ (Fly Ash): 石炭火力発電所の燃焼残渣で、微細な灰の形で得られます。フライアッシュは、コンクリートの作業性を向上させるだけでなく、アルカリシリカ反応のリスクを減少させる効果があります。
- スラグ (Slag): 主に鉄鋼製造時の高炉の副産物です。特に、粒子の微細な「鉱石高炉スラグ」として知られています。水との反応性を持ち、コンクリートの強度や耐久性を向上させることができます。
この材料のうち、フライアシュセメントをまぜたものがフライアシュセメントであり、スラグを混ぜたものが、高炉セメントとなるのです。
■おぼえておきたい混合質量%
このアルカリシリカ反応に関する問題も、
混合材である高炉スラグの混合質量%、そして
フライアッシュセメントの混合質量%の数値が、
曖昧な知識となり、自信を持って解答できるか否かの
差がつくポイントとなります。
まとめると、下記です。
■高炉セメントB種またはC種
高炉セメントB種または高炉セメントC種
高炉セメントB種の場合は、40%以上の混合量のものが
アルカリシリカ反応抑制セメントとなります。
意外に多いですね。
フライアッシュセメントB種またはフライアッシュセメントC種
これも、フライアッシュセメントB種の場合は、15%以上の混合量のものが
アルカリシリカ反応抑制セメントとなります。
こちらは、高炉セメントの混合量の40%以上に比べると少なめですね。ただ、こうした数字もこのように連携して学ぶと頭に残ります。ただの丸暗記にならないように注意しましょう。
■高炉セメント・フライアッシュセメント
なお、補足ですが、
高炉セメントは
A種 5~30%
B種 30超~60%
C種 60超~70%
フライアッシュセメントは
A種 5~10%
B種 10超~20%
C種 20超~30%
以上の混合量で、A種からC種まで分かれます。
こうした数値を確実に暗記しておくことは、
確実な合格には必要です。
よく暗記しなくても理解しておけばよい、
とか、どこに何が書いてあるかわかっていればよいと
いわれますが、それは実務の話ではそうかもしれませんが、
テストにおいては、
絶対に違います。
かならずこうした数値は暗記しておいたほうが、
合格に近づきます。
しっかり暗記しておきましょう。
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