コンクリート技士試験過去問題ポイント 【塩化物イオン許容値】
本日はコンクリート技士試験の過去問の
前半のセメントの知識問題の範囲で
よく出てくるセメントの構成内容に関してです。
■コンクリート技士試験における【塩化物イオン許容値】
コンクリート技士の過去問、H24年度では、
問題41で塩化物イオンの許容値に関する問題が出題されています。
この過去問の問題文の中には、
『 2009年の改正において・・・』
という問題の出題のされかたでしたので、
頭を悩ませた方も当時は多かったのでは
ないかと推測されます。
ここは重要な過去問のポイントですので、
しっかりまとめて、おぼえておきましょう。
2003年11月、JIS改正があり、
普通ポルトランドセメントの塩化物イオンの
許容値が
0.02%⇒0.035%
と改正されています。
一度出題されてしまいましたが、
そろそろ、時間もたっていますので、
ふたたび、形をかえて出題される可能性は
十分にあります。
また、類似の出題が予想されるところでは、
下記のような数字のポイントもあります。
ぜひおぼえておきましょう。
■普通ポルトランドセメントの【三酸化硫黄】規制値
2009年11月のJIS改正で、
普通ポルトランドセメント
三酸化硫黄:3.0%以下⇒3.5%以下
なぜ、この三酸化硫黄が規制されているのでしょうか。
高炉スラグ粗骨材中における硫黄Sがあると、
これが酸化して、硫酸塩に変化すると、
セメント中のアルミン酸石灰と反応して、
エトリンガイト
とよばれるものを生じさせ、
セメント硬化体を異常に膨張させるのです。
なので、三酸化硫黄の数値が規制されているのです。
また、別の面もあります。
それは、硫黄が多いとコンクリート中の鋼材を
腐食させるおそれがあるとも言われています。
せっかく、鉄筋コンクリートとして、
しっかりした構造物を施工したと思っても、
三酸化硫黄といったものが多めに混在しているだけで、
品質に悪影響を及ぼすのです。
しっかり、実務面でも
こうしたことはおぼえておきましょう。
■おぼえておきたい、セメントの強熱減量数値
強熱減量に関しても、
数値規制があります。
強熱減量の数値も出題される可能性はありますので、
こうした数値をしっかり
おぼえておきたいところです。
ちなみに、強熱減量とは、
975±25℃
(高炉セメントでは700±25℃)
で、セメントを加熱したときに揮発してしまう成分の
合計量のことです。
ちなみに、この揮発する成分は、
水と炭酸分です。
強熱減量とは、新鮮度の目安となる指標でもあり、
風化が進むとこの値が大きくなります。
普通・早強・超早強セメントにおいては、
強熱減量:3.0%以下⇒5.0%以下
といった改正がされています。
ちなみに
中庸熱・低熱・硫酸塩に関しては、
強熱減量:3.0%のまま
これがポイントです。
こういった細かい知識をバカにせずに
正確におぼえておくことが
ボーダーライン上の受験者が
すこしでも合格ラインの上にいくための
ポイントでしょう。
■おまけにおぼえておきたい、【低アルカリ形のセメント】
なお、補足ですが、
低アルカリ形のセメントは
全アルカリ量を0.6%以下に
保障したものです。
こうした、ポイントをおぼえていくためには
効率よく勉強することが重要です。
下記で、コンクリート技士を受験するにあたり、
よいと思われる勉強法をまとめてます。
よかったら参考にしてください。
1.コンクリート技士試験 効率合格勉強法 まず過去問【1日目】
4.コンクリート技士問題・解答速報(案)2018年合格点・難易度は?
<<最重要事項の確認>>
1.コンクリート技士試験過去問ポイント 【アルカリシリカ反応抑制】
4.コンクリート技士試験過去問題ポイント【高流動コンクリート】
6.コンクリート技士試験過去問題ポイント 【塩化物イオン許容値】
<<合格率をあげる過去問>>
1.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(1):少量混合成分
2.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(2):早強セメント
3.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(3):中庸熱セメント
4.コンクリート技士の合格率を上げる過去問(4):低熱セメント
6.コンクリート技士の合格率をあげる過去問(6):フライアッシュ