質問 1: アルカリシリカ反応について
コンクリート中のアルカリシリカ反応(ASR)に関連して、以下の選択肢の中で不適当なものはどれでしょうか?
- ASRは、コンクリート内のアルカリ成分と反応性の高いシリカを含む骨材との化学反応によって起こる。
- ASRを防ぐためには、アルカリ成分の総量を制限することが有効である。
- ASRによる膨張とひび割れは、主に乾燥状態よりも湿潤状態で顕著になる。
- 骨材の粒度や種類はASRに影響を与えない。
解説:
適当なものは、1, 2, 3の選択肢です。アルカリシリカ反応は、コンクリート内のアルカリ成分(主にセメント由来)とシリカを含む反応性の高い骨材が反応して、膨張性のゲルを生成する化学反応です。このゲルは水分を吸収して膨張し、コンクリート内部にひび割れや構造的な損傷を引き起こす可能性があります。特に湿潤状態では、ゲルがより多くの水分を吸収し、膨張が顕著になります。
ASRを抑制するためには、アルカリ成分の総量を制限することが一つの方法です。また、反応性の低い骨材を使用するか、またはフライアッシュやスラグなどの補足的なセメント材を使用して、コンクリートのアルカリレベルを下げることも有効です。
不適当な選択肢は4です。骨材の粒度や種類は、ASRのリスクに大きな影響を与えます。特に、高い反応性を持つシリカを多く含む骨材は、ASRのリスクを高めます。したがって、骨材の選択はASRのリスクを管理する上で重要な要素です。
質問 2: アルカリシリカ反応(ASR)の防止策に関する問題
アルカリシリカ反応(ASR)を抑制するための以下の方法のうち、不適切なものを選びなさい。
- 反応性が低い骨材の使用
- セメントのアルカリ含有量の低減
- コンクリートに追加の水を加えてスランプを高める
- ポゾラン材料(例:フライアッシュ、スラグ)の使用
解説:
適切なASR抑制策は、1, 2, 4の選択肢です。反応性が低い骨材の使用、セメントのアルカリ含有量を低減する、およびポゾラン材料の使用は、ASRを抑制する有効な方法です。ポゾラン材料は、セメントのアルカリと反応し、ASRによる被害を減らすことができます。
不適切な選択肢は3です。コンクリートに追加の水を加えることは、ASRを抑制する直接的な効果はありません。実際には、適切な水セメント比の維持が重要であり、過剰な水分はコンクリートの品質を低下させる可能性があります。
質問 3: アルカリシリカ反応(ASR)の影響に関する問題
アルカリシリカ反応(ASR)がコンクリート構造物に与える影響について、以下の記述の中で正しいものを選びなさい。
- ASRは主にコンクリートの外観に影響し、構造的強度には影響を与えない。
- ASRによる膨張は、コンクリート内のひび割れを引き起こし、耐久性を低下させる。
- ASRは、コンクリートの圧縮強度を高める。
- ASRによる膨張は、コンクリートのスランプを増加させる。
解説:
正しい選択肢は2です。アルカリシリカ反応による膨張は、コンクリート内部のひび割れを引き起こし、その結果、構造の耐久性が低下することがあります。このひび割れは、水や化学物質の侵入を容易にし、さらなる劣化のリスクを高めます。
不正しい選択肢は1, 3, 4です。1は、ASRが構造的強度にも影響を与える可能性があるため不正しいです。3は、ASRがコンクリートの圧縮強度を高めるという誤った情報です。ASRは構造的強度を低下させる可能性があります。4は、ASRがスランプに影響を与えるという誤った情報で、ASRはスランプに直接的な影響を与えません。